従業員数(会社の規模)で平均年収はどう変わるか。上場1,309社で数えてみた

数字の読み方

「大きい会社ほど、年収が高い」。就活や転職で、なんとなくそう聞きます。年収JPに収録している上場企業のデータで、実際にどのくらい違うのかを数えました。

対象は、有価証券報告書の【従業員の状況】に平均年間給与と従業員数の両方が載っている1,309社です(2026年9月3日時点の収録1,317社のうち、どちらかが欠けている8社を除きました)。従業員数も年収も提出会社(単体)の数字で、連結ではありません。推計は入っていません。

従業員数の帯ごとに並べると、300人以上は右肩上がり

従業員数(単体)社数平均年収の中央値下から4分の1上から4分の1
100人未満52社751万円655万円963万円
100〜299人129社654万円582万円828万円
300〜499人83社683万円596万円805万円
500〜999人255社680万円585万円761万円
1,000〜2,999人527社713万円620万円828万円
3,000〜4,999人133社782万円670万円852万円
5,000〜9,999人76社793万円685万円906万円
1万人以上54社830万円740万円903万円

1,309社全体の中央値は714万円、従業員数の中央値は1,225人です。

300人以上の帯だけを見ると、きれいに右肩上がりです。100〜299人の654万円から1万人以上の830万円まで、176万円の差があります。同じ「上場企業」でも、規模でここまで違います。

ただし、いちばん左の100人未満の帯が751万円で、100〜299人より97万円も高くなっています。ここだけ順番が逆です。

100人未満が高いのは、持株会社が半分を占めるから

100人未満の52社のうち、社名に「ホールディングス」「グループ本社」「HD」が入る会社が27社あります。半分以上です。

持株会社は、グループ全体の経営をする少人数の会社です。工場や店舗で働く人はグループの別会社に所属するので、提出会社(単体)の従業員には入りません。少人数の本社スタッフだけの平均になるため、年収が高く出ます。この仕組みは「平均年収ランキングの上位にホールディングスが並ぶ理由」で詳しく数えています。

52社を分けると、こうなります。

100人未満の会社社数平均年収の中央値
持株会社(社名で判定)27社767万円
それ以外25社715万円

持株会社を外しても715万円で、100〜299人の654万円より高いままです。「小さいのに上場している」会社は、そもそも少人数で高い利益を出せる事業をしていることが多い、ということのようです。ただ、この25社は数が少ないので、ここは断定しません。

1,000万円を超える会社は、どの規模にもある

平均年収が1,000万円以上の会社は、1,309社のうち107社です。規模ごとに数えると、こうなります。

従業員数(単体)1,000万円以上500万円未満
100人未満9社3社
100〜299人12社11社
300〜499人6社5社
500〜999人10社22社
1,000〜2,999人42社32社
3,000〜4,999人13社9社
5,000〜9,999人11社3社
1万人以上4社1社

規模が大きいほど「500万円未満」の割合は下がります。1万人以上では54社中1社だけです。**大きい会社は、年収が高いというより「低くなりにくい」**というのが、この表の読み方です。

一方で1,000万円以上は、どの帯にもあります。各帯の上位を並べると顔ぶれがはっきりします。

従業員数(単体)その帯で年収が高い会社(上位3社)
100人未満スクウェア・エニックス・ホールディングス 1,315万円/SRAホールディングス 1,283万円/ヤマトホールディングス 1,248万円
100〜299人ヒューリック 2,296万円/M&Aキャピタルパートナーズ 2,266万円/野村ホールディングス 1,421万円
300〜499人大和証券グループ本社 1,793万円/SOMPOホールディングス 1,260万円/MS&ADインシュアランスグループホールディングス 1,238万円
500〜999人川崎汽船 1,450万円/長瀬産業 1,190万円/第一生命ホールディングス 1,143万円
1,000〜2,999人三井不動産 1,856万円/三菱地所 1,759万円/東京海上ホールディングス 1,487万円
3,000〜4,999人キーエンス 2,178万円/伊藤忠商事 1,991万円/ディスコ 1,880万円
5,000〜9,999人三菱商事 2,113万円/三井物産 2,059万円/中外製薬 1,351万円
1万人以上大和ハウス工業 1,101万円/清水建設 1,043万円/三菱重工業 1,018万円

小さい帯の上位は不動産・証券・持株会社、中くらいの帯は商社と機械、1万人以上の帯は建設と重工業です。規模が大きくなるほど、上位の年収そのものは下がります。1万人以上の1位は1,101万円で、100〜299人の1位(2,296万円)の半分以下です。人数が多い会社は、平均を押し上げる少数の高給層の割合が小さくなるからです。

会社を選ぶときにどう使うか

規模は、年収の「下限」を予想する材料になります。1,000人以上の会社なら、平均年収の下から4分の1でも620万円以上です。100〜299人の会社だと、その線が582万円まで下がります。

一方で「上限」は規模と関係がありません。1,000万円を超えたいなら、大きい会社を探すより、業種別のランキングで不動産・商社・証券・医薬品を見るほうが早いです。

年収JPでは全社のページに従業員数(単体)を載せています。同じ規模の会社どうしで見比べるときは、平均年収ランキングの各社ページで確かめてみてください。


この記事の数字について:年収JPに2026年9月3日時点で収録している上場1,317社のうち、有価証券報告書に平均年間給与と従業員数(単体)の両方が載っている1,309社を対象にしました。中央値は帯ごとの平均年間給与を小さい順に並べた真ん中の値、「下から4分の1」「上から4分の1」はそれぞれ25%点と75%点です。持株会社の判定は社名に「ホールディングス」「グループ本社」「HD」を含むかどうかだけで行い、実態は確認していません。数字はすべて提出会社(単体)で、連結ではありません。各社の決算期は2025年6月期〜2026年3月期が混ざっています。

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