平均年収の上位に「ホールディングス」が並ぶ理由
平均年収の高い会社を上から並べると、社名に「ホールディングス」「グループ本社」「フィナンシャルグループ」が付いた会社がよく出てきます。これは持株会社が高給だから、とは限りません。
年収JPに収録している上場910社で、実際にどれくらい偏っているのかを数えました。
全体の1割なのに、上位50社では4割
| 社数 | 全体に占める割合 | |
|---|---|---|
| 収録企業ぜんぶ | 910社 | — |
| うち持株会社 | 99社 | 10.9% |
| 平均年収 上位50社のうち持株会社 | 20社 | 40.0% |
| 平均年収 上位100社のうち持株会社 | 31社 | 31.0% |
全体では10社に1社しかないのに、上位50社では5社に2社が持株会社です。約4倍の密度で上に集まっています。
中央値で141万円の差
| 社数 | 平均年収の中央値 | 従業員数の中央値 | 平均年齢の中央値 | |
|---|---|---|---|---|
| 持株会社 | 99社 | 850万円 | 214人 | 44.0歳 |
| それ以外 | 811社 | 709万円 | 993人 | 41.0歳 |
差は 141万円。同時に見てほしいのが従業員数です。持株会社の中央値は 214人。それ以外の会社は993人ですから、4分の1以下です。
数万人規模のグループを束ねる会社でも、有価証券報告書に載る従業員数は数百人ということが普通に起きます。
なぜこうなるのか
有価証券報告書の平均年間給与は、提出会社(=その法人単体)に在籍している人だけの平均です。グループ全体の平均ではありません。
持株会社は、株式を持ってグループを統括するのが仕事です。事業そのものは事業子会社が持ちます。だから本体に残るのは、経営企画・財務・法務・人事といった管理部門と、役員に近い層になります。
- 若手の比率が低い(平均年齢の中央値が44.0歳と、それ以外の41.0歳より3歳高い)
- 管理職・専門職の比率が高い
- 製造・店舗・営業の現場で働く人が、この数字に入っていない
高い給料を払っているというより、給料が高い職種の人しか在籍していない、というほうが実態に近いです。
どう読めばいいか
1. 従業員数を必ずセットで見る
数万人規模のグループなのに従業員数が数百人なら、それは持株会社の本体だけの数字です。年収JPの各企業ページには、平均年収と並べて従業員数(提出会社)を載せています。
2. 事業会社の有価証券報告書を探す
グループの中に、別途で有価証券報告書を出している事業子会社があることがあります。そちらの数字のほうが、実際に現場で働く人の給与水準に近くなります。
3. 自分が入る会社はどちらかを確かめる
採用しているのが持株会社なのか事業会社なのかで、参照すべき数字が変わります。求人票の会社名と、有価証券報告書の提出会社名を突き合わせるのが確実です。
当サイトの扱い
年収JPは、有価証券報告書に書かれている数字をそのまま載せています。持株会社だからといって除外も補正もしていません。推計値を混ぜないためです。
そのかわり、各社のページには従業員数(提出会社)を必ず併記しています。平均年収だけでなく従業員数を見れば、その数字が「グループ全体の話」なのか「本体だけの話」なのかは判断できます。
出典
すべて各社が金融庁のEDINETに提出した有価証券報告書の【従業員の状況】【表紙】より。会社ごとの出典URLは各企業ページに掲載しています。集計対象は年収JPに収録している910社(2026年9月2日時点)です。
年収JPは、有価証券報告書(法定開示)の「平均年間給与」だけを情報源にした年収データベースです。 口コミや推定は使っていません。平均年収ランキング/ 実質年収ランキング/手取りシミュレーター
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