平均年収「ちょうど800万円」の会社と「9,200,112円」の会社 数字の細かさが違う理由

数字の読み方

この記事に出てくる平均年間給与は、すべて各社の有価証券報告書【従業員の状況】から取ったものです。会社ごとの出典は各企業ページの下部にあります。

年収JPのランキングを眺めていると、ふしぎなことに気づきます。

9,200,112円(NGK・旧日本ガイシ)や 10,062,259円(奥村組)のように1円の位まで書いてある会社の隣に、800万円ちょうど(BASE)の会社がいる。

BASEの給与計算がキリよく800万0000円だった——わけではありません。これは開示の「単位」が会社によって違うからです。

同じ「平均年間給与」でも、細かさは3段階ある

有価証券報告書の「平均年間給与」の欄は、会社によって書き方が違います。実際に原文を見比べると、だいたいこの3つに分かれます。

開示の単位原文の例年収JPでの表示
円単位平均年間給与(円)9,200,1129,200,112円をそのまま掲載
千円単位平均年間給与(千円)5,4015,401,000円に換算して掲載
百万円単位平均年間給与(百万円)88,000,000円に換算して掲載

いちばん上と下では、情報の細かさが100万倍違います。

円単位の「9,200,112円」は、±0.5円の話です。いっぽう百万円単位の「8」は、**「800万円前後のどこか」**ということしか教えてくれません。四捨五入なら750万〜850万円、切り捨てなら800万〜899万円。どちらの丸め方なのかすら、原文からは分かりません。

「800万円ちょうど」は、実額ではなく丸めた数字

だから、平均年収がちょうど100万円の倍数になっている会社を見たら、「キリのいい給与テーブルなんだな」ではなく「百万円単位で開示している会社なんだな」と読むのが正解です。

年収JPでは、原文が千円単位・百万円単位だった会社は、企業ページの注記(note)に必ず「原文は千円単位のため円に換算した」「百万円単位で開示されているため800万円とした」と書いています。換算はしますが、原文より細かい数字を勝手に作ることはしません。750万円かもしれないし849万円かもしれない数字を、「800万円」以上の精度で語ることはできないからです。

ランキングの「1位差」は、誤差の範囲かもしれない

この開示単位の違いは、ランキングの読み方にそのまま効いてきます。

  • 円単位の会社どうしなら、1円差でも順位の意味はあります(その年度の実績の差です)
  • 百万円単位の会社が絡む順位差は、数十万円の幅の中の話です。前後数十万円の会社との順位は、実際には入れ替わっているかもしれません

年収JPのランキングはあくまで「開示された数字」の順です。数字の細かさまで見て、順位差をどこまで真に受けるかを判断してください。

最近の有報は、もっと親切になっている

最近提出された有価証券報告書には、平均年間給与の隣に**「対前事業年度増減率」**まで書く会社が増えています。今回新しく収録した会社のうち、円単位で開示していた4社は、すべて増減率つきでした:

会社平均年間給与前年からの増減
奥村組10,062,259円+3.3%
NGK(旧日本ガイシ)9,200,112円+8.8%
東京精密8,276,412円+5.7%
リンクアンドモチベーション6,969,014円+1.2%

「いまいくらか」だけでなく「どっちに動いているか」まで法定開示で分かる時代になりました。転職の判断材料としては、実は増減率のほうが効くこともあります。

まとめ:数字は「どの細かさで開示されたか」とセットで読む

  • 平均年収が100万円の倍数ぴったりなら、まず百万円単位の開示を疑う
  • 円単位・千円単位・百万円単位では、数字の信頼できる幅がまったく違う
  • 細かい順位差を気にするより、平均年齢・勤続年数・増減率とセットで読むほうが実りが大きい

年収JPは、換算した場合は必ず企業ページの注記に明記しています。気になる会社があったら、ランキングの数字だけでなく、企業ページの注記と出典リンクまで見てみてください。

年収JPは、有価証券報告書(法定開示)の「平均年間給与」だけを情報源にした年収データベースです。 口コミや推定は使っていません。平均年収ランキング/ 実質年収ランキング/手取りシミュレーター

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