住宅手当が「30歳まで」の会社と「制限なし」の会社 40歳で年36万円の差がつく

制度解説

求人票に「住宅手当 月3万円」と書いてあった。入社した。たしかに3万円が出た。

——5年後にも出ているとは、どこにも書いてありません。

住宅手当や独身寮には、年齢や入社年数で終わるものがあります。そして求人票にはまず書かれません。

年齢制限の書かれ方は3つ

型書かれ方の例何で切れるか
年齢型「満30歳到達年度末まで」「35歳未満」誕生日・年度末
年数型「入社6年目まで」「新卒3年目まで」入社からの経過年数
逓減型年数とともに金額が下がる年数(金額が段階的に減る)

いちばん見落としやすいのが逓減型です。求人票には最高額だけが書かれるので、その額をずっともらえると思ってしまいます。

「30歳まで」と「満30歳到達年度末まで」は違う

同じように見えて、実際にもらえる期間が最大1年近く変わります。

  • 「30歳まで」 … 誕生日で切れる読み方が自然
  • 「満30歳到達年度末まで」 … 誕生日のあと、年度末(3月末)まで延びる

4月生まれの人と3月生まれの人では、後者のほうが約1年長く受け取れる計算になります。早生まれか遅生まれかで差が出る制度です。

40歳で、いくらの差になるか

月3万円の住宅手当があるとします。

  • 年齢制限なしの会社 … 40歳でも月3万円 → 年36万円
  • 「30歳まで」の会社 … 31歳から0円 → 年0円

その差は年36万円です。10年続けば360万円になります。

しかもこれは非課税で効きます(社宅・寮の形なら特に)。同じ効果を給与で得ようとすると、税と社会保険料を引かれる前の額面で年50万円前後の昇給が必要です。

つまり「住宅手当が40代まで続く会社」は、「年収が50万円高い会社」とほぼ同じ意味を持ちます。

なぜ寮には年齢制限があるのか

独身寮は「若手の住まいを安く用意する」ことを目的にした制度として設計されていることが多く、公式ページでも「新入社員向け」「若手向け」と説明されます。結婚・世帯形成のタイミングを想定して上限が置かれる形が一般的です。

ただし、理由を公式に説明している会社はほとんどありません。 ここは制度の建て付けからの一般論です。

転勤があるなら、もう1つ見るところ

転勤のある仕事で、住居費がいちばん怖いのは転勤先の家賃相場です。

総務省の住宅・土地統計調査(2023年)によると、民営借家の1か月家賃は全国平均65,496円、東京都94,802円(23区は100,530円)。地方から東京に転勤になると、家賃だけで月3万円前後上がります。

だからこそ、公式ページに「転勤先が都市部でも社宅使用料は変わりません」と明記している会社は、金額の安さ以上の意味を持ちます。将来の生活費が読めるということだからです。

面接で聞くなら、この3つ

  • 「独身寮の本人負担は、月いくらですか」
  • 「何歳まで、または何年目まで支給されますか」(逓減型かどうかもここで分かります)
  • 「寮を出たあと、住宅手当に切り替わりますか」(切れたあと何も無い会社もあります)

住居費は生活費の中でいちばん大きい固定費です。入社時の額面より、何年もらえるかのほうが効いてきます。

年収JPと福利厚生JPで確認できます

年収JPの企業ページでは、2,062 社について、年齢を選ぶと福利厚生の上乗せがどう変わるかを見られるようにしています。年齢制限のある制度は、その年齢を過ぎるとグラフから消えます。

年齢が上がると給与は増えても、実質年収は下がることがあります。 これは計算の間違いではなく、制度が切れているということです。

制度ごとの条件・対象者・出典URL・確認日は、姉妹サイトの福利厚生JPに1件ずつ載せています。

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