平均年齢が高い会社ほど年収が高い、とは限らない

数字の読み方

年功序列という言葉があるので、「社員の平均年齢が高い会社ほど、平均年収も高い」と思われがちです。年収JPに収録している上場企業のデータで、実際にそうなっているのかを数えました。

対象は、有価証券報告書の【従業員の状況】に平均年間給与と平均年齢の両方が載っている1,775社です。すべて提出会社(単体)の数字で、推計は入っていません。

40代前半が山で、そこから下がる

会社の平均年齢社数平均年収の中央値
34歳以下106社549万円
35〜39歳363社667万円
40〜44歳1,061社723万円
45〜49歳224社688万円
50歳以上21社593万円

右肩上がりではありません。40〜44歳が山で、45歳を超えると下がり、50歳以上の会社は35〜39歳の会社より低くなります。

年齢が上がるほど下がるように見えるのは、個人の給与が下がっているからではありません。「平均年齢が高い会社」と「平均年齢が低い会社」で、そもそも仕事の中身が違うからです。両端を実名で見ると、それがはっきりします。

平均年齢が50歳を超えている会社

会社平均年齢平均年収
ショクブン50.0歳367万円
光ハイツ・ヴェラス58.0歳381万円
太平洋興発61.0歳396万円
ビケンテクノ52.1歳398万円
北海道中央バス53.7歳490万円

給食の配達、高齢者住宅の運営、ビルの清掃、路線バス。人手が要る現場の仕事が並びます。定年後の再雇用を含めて雇用を続けている会社ほど平均年齢は上がり、給与水準はもともと高くありません。

平均年齢が34歳以下の会社

会社平均年齢平均年収
M&Aキャピタルパートナーズ32.4歳2,266万円
ベイカレント31.3歳1,331万円
ドリームインキュベータ34.6歳1,221万円
インテグループ32.4歳1,186万円
エムスリー34.8歳976万円

M&A仲介、コンサルティング、医療プラットフォーム。少人数で高い付加価値をとる仕事です。成果報酬の比重が大きく、若くても年収が高く出ます。

つまり平均年齢は、年功の度合いではなく、その会社がどんな仕事をしているかの代理指標として効いています。求人を見るときに「平均年齢が高い=長く働ける=待遇がいい」と読むと、逆の結論になることがあります。

ついでに、本社の場所でも数えてみた

本社の都道府県社数平均年収の中央値
東京都629社709万円
京都府21社703万円
大阪府138社700万円
神奈川県58社694万円
愛知県79社656万円
兵庫県37社650万円
埼玉県20社629万円
福岡県22社605万円

東京と京都・大阪の差は、中央値で10万円未満でした。「本社が東京だから年収が高い」という差は、上場企業のあいだではほとんど出ていません。

この記事の数字の出どころ

すべて金融庁のEDINETに提出された有価証券報告書【従業員の状況】の「提出会社の状況」です。平均年間給与は賞与と基準外賃金を含みます。提出側の単位の誤記が混ざることがあるため、150万円未満と3,000万円超は集計から外しています。

勤続年数との関係は 平均勤続年数と平均年収の関係を、上場1,117社で数えてみた に、会社の規模との関係は 会社の規模と年収 にまとめています。

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